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2011年1月 1日 (土)

旧日本軍 進級

進級
 武官進級上の原則
(1)級をおうて歴進すること
(2)実役停年を超えざること
(3)進級のため兵科部を変更せざること

進級の方法
・抜擢進級であること
・戦時または事変のときは特別の進級を行なうことができる。
・また公務のため傷痍をうけ危篤におちいった者も同様である。

平時進級
(1)将校・同相当官

・現役将校、同相当官は尉官もしくは佐官の階級において、それぞれ所要の年数(尉官の階級において3年以上、佐官の階級において2年以上)の隊附勤務に服した者でなければ、少佐もしくは少将に進級できないのが例である。

・中将より大将に進級せしむるのは、歴戦者または枢要の経歴を有する者で、功績とくに顕著な者のなかより特旨をもって親任せられる(親任官)。

・将官の進級および大佐より少将への進級は上旨に出ずるのだが、まず内旨を陸軍大臣に諭されるのを例としている(勅任官)。

・現役上長官および士官の進級抜擢

 a  各兵科部ごとに上長官、士官の区分にしたがい所定の直系上官(佐官にあっては将官もしくはこれに準ずべき者

  b  士官にあっては将官、連隊長もしくはこれらと同等以上の権限ある者)がこれを行なう

・その進級は候補決定名簿の列序にしたがい陸軍大臣進級上裁を仰ぎ、各官ごとに進級せしめられるのである(奏任官)。

・現役将校、同相当官に必要な実役停年は、中将4年、少将(同相当をふくむ、以下同)3年、佐官(各階級とも)2年、大尉4年、中尉2年、少尉1年。

・進級にはつぎのような特例がある。

 a 現役将校、同相当官はつぎにかかげる場合において、とくに進級せしめることができる。

 b この規定は准士官および下士官にも准用される。

 (一)実役停年をこえた者、公務による傷痍、疾病のため危篤におちいり、または現職にたえざるにいたったとき。
 (二)抜擢候補決定の者および実役停年をこえ多年実務に服した功績顕著な者。
        現職を退かしめられるとき、または傷痍・疾病のため危篤におちいったとき。
 (三)軍事に関し抜群の功績ある者。
        または軍人の亀鑑として陸軍大臣これを陸軍全般に布告した者(実役停年にかかわらず臨時抜擢せられる)。

 c 予備役、後備役将校、同相当官はつぎにかかげる場合において現役将校、同相当官の例によって進級せしめることができる。

 (一)召集中公務による傷痍・疾病のため危篤におちいったとき。
 (二)中佐、同相当官以下で軍隊、官衙または学校において武官の職を奉じ勤務の成績優秀な者。
 (三)中・少尉相当官で2回以上の召集に応じ、その成績優秀な者(とくに進級のためにする勤務演習に服せしめ技能を査閲する)。
 (四)軍事に関し抜群の功績ある者または軍人の亀鑑として陸軍大臣これを陸軍全般に布告した者(その技倆上級の職に堪うる者に限る)。

(2)准士官・下士官

・下士官の進級は各官ごとに(砲・工兵諸工長は各兵科各階扱ごとに、編制上兵料の区分なき部隊に属する者にあっては各兵科を通じ各階扱ごとに)行なう。

・曹長にあっては所管長官、その他にあっては進級区域の長がこれを進級せしめる。

・現役下士官の抜擢はその進級区域にしたがい、所定の直系上官(中隊長、副官もしくはこれらと同等以上の権限ある者)これを行う。

・進級候補およびその列序の決定は師団長、これと同等以上の権限ある長官もしくは陸軍大臣直轄官衙の長または軍務局長、経理局長、医務局長がこれを行なう。

・下士官の進級区域はおおよそつぎのようになっている。

 a 曹長より特務曹長への進級
  ・各隊(教導隊をふくむ)
  ・ただし司令部、官衙および学校附の者は原隊
  ・憲兵はその兵科

 b各兵科下士官(曹長および砲・工兵諸工長を除く)
  ・各司令部各隊、各官衙および各学校

 c 砲・工兵諸工長
  ・各所管

 d 各部(軍楽部を除く)下士官
  ・軍、師団経理、軍医、獣医部所管

 e 軍楽部
  ・その所管

 f 部隊に編入されていない予備役・後備役
  ・下士官、各兵科および軍楽部下士官所管連隊区
  ・その他は関係各部ごとに軍、師団経理、獣医部所管。
  ・現役准士官、下士官に必要な実役停年は楽長補3年、曹長(相当官をふくむ。以下同)2年、軍曹1年、伍長6月とする。

(3)兵

・現役二等兵で入営後およそ6月をこえ成績優秀な者

 a 中隊長(これに準ずる者をふくむ)これを選抜し、順序を経て連隊長(これに準ずる者をふくむ)の認可を受け、これに一等兵を命じる

 b 現役一等兵で入営後およそ1年をこえ成績優秀な者は中隊長の上申にもとづき連隊長その列序を定め中隊に欠員あるごとにこれに上等兵を命ずる。

・下士官適任証書を付与せられる一・二等兵は同証書付与と同時に上等兵に進級する。

・現役一・二等兵はつぎにかかげる場合において、とくに進級ができる。

 a 在営中公務による傷痍・疾病のため危篤におちいった者(召集中の予備役、後備兵役、補充兵役の一・二等兵にも準用される)。

 b 抜群の功績があり、その行為軍人の亀鑑として師団長またはこれと同等以上の権ある長官これを一般に布達した者。

 c 一等兵で成績優秀な者は退営の際(定められた人員にかぎる)。

・予備役、後備兵役、補充兵役一・二等兵はつぎにかかげる場合において、とくにこれを進級せしめることができる。

 a 一・二等兵で勤務演習に服しその成績優秀な者(在郷中の成績をも顧慮する)は召集解除の際。

 b 召集中にあらざる一・二等兵でその行為軍人の亀鑑たる者(連隊区司令官師団長の認可を経てこれに進級せしめる)。

戦時進級

・補充上必要があるときは武官の実役停年および兵の在営期間はこれを半減することができる。

・また上長官および士官の隊附期間はこれに適用しなくともよい。

・なお、武官のうちつぎの事項の一に該当する者は制規にかかわらず、とくに進級させることができる。

  a   敵前にあって殊勲を奏し首将これを全軍に布告した者。

  b  殊勲を奏した者または勲功顕著な者で傷痍または疾病のため危篤におちいった者。

  c  敵前の軍隊にあって人員欠乏し定規によることができないとき。

・また,一・二等兵で功績顕著な者は退営または召集解除の際とくに進級させうる。

・なお戦時には進級権を戦地に臨む首将にとくに委任されることがある。   

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コメント

旧日本軍;進級拝読し、父私史纏め参考にさせて頂いております。願わくば、進級に伴う進階につきましても、当時仕様解説お願いします。特に予備役将校が少尉任官初叙正八位奏綬後、終戦を迎え中尉任官初叙従七位奏綬に至る経緯よ、俗に言われます「ポツダム中尉」の当時実態経緯について、予備役と現役将校との差異含め、解説賜れれば幸甚至極であります。当時陸軍用語も確かに難しいのですが、進級進階という現世聞き慣れるシステムについて理解深めたく想いからです。
何卒よろしくお願いします。三塚伸幸拝

「ポツダム中尉」については、下記の所にかいてあります。後日、他に分かったときは追記します。
http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa5079584.html

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